C型肝炎

C型肝炎の患者さんにとって今年はわずかながら朗報がありましたね。それはインターフェロンの治療に今年の4月から医療費が助成されることになったからです。C型肝炎の患者さんは全国で患者数が大変多く、全国で約200万人のC型肝炎患者がいるとされています。C型肝炎はたいへん怖い病気です。そのままほったらかしにしておくと、肝ガンに移行する危険が非常に高くなります。肝ガンの約80%はC型肝炎が原因とされます。したがって肝ガンを防ぐことはC型肝炎の治療がどうしても不可欠になってきます。そもそもC型肝炎の罹るのは、手術の際の輸血やフィブリノゲン製剤を使ったりした人は、感染している可能性があります。感染経路としては予防接種での注射針の使い回しも原因と考えられていますが、自覚症状がほとんどないため、感染していることに気が付いていない人がたくさんいます。
感染の有無は、血液検査でわかるので、ぜひ念のために一度検査を受けてみましょう。

藤沢周平さんも長いこと苦しみました

かつては輸血や、注射針でC型肝炎に罹る人が多くいました。しかもその時には気が付かないで、何年、何十年も経って発病します。「蝉しぐれ」や「たそがれ清兵衛」などの直木賞作家であった藤沢周平さんは、郷里の山形県で小学校の先生をしていたときに結核に罹り、晩年になってそのときの結核手術の際の輸血によって罹ったC型肝炎に苦しみ、入退院を繰りかえしました。しかし病状は好転せず69歳で逝去しました。その藤沢周平さんも最新のC型肝炎療法を受けたら治癒していたかもしれません。インターフェロン治療で体からウイルスを駆除すると、C型肝炎が治癒し、肝ガンの発症を防ぐことができます。インターフェロンの改良と併用薬の登場により、ここ数年でインターフェロン治療は急速に進歩しました。

C型肝炎の初期には気が付きません

C型肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV)の感染によって起こる肝臓の病気です。
HCVに感染すると、約70%の人が持続感染者いわゆるHCVキャリアとなります。初期の症状は軽くて本人が気が付かないうちにC型慢性肝炎に罹り、これを放置することで肝硬変とかさらに肝がんへと移行していきます。慢性C型肝炎に罹っていても患者さんの自覚症状が乏しいために発見が遅れることもよくあるようです。慢性になった初期のC型肝炎は病変の進捗が緩やかです。先の藤沢周平さんの例のように40年ものあいだ、ほとんど病状が進行しないで、ある時期になると急速に悪化するケースもよく見られるようです。肝がんは全がんの12%弱を占めています。また、がん死の内で男性では肺がん、胃がんに次いで死因の第3位、女性では第4位です。ウイルスの感染がわかったら、まず肝臓の専門医を受診しましょう。専門医は患者の肝臓状態をよく見て方針を立てくれます。

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